天使の羽根を踏まないでっの感想

雰囲気A シナリオB 音楽S 原画C 妹A 総合B
OHPに太陽の学園と月の学園の二つの舞台が用意されているも、それぞれが独立しているようでどういうことかという具合に話題になっていた作品。もちろんシナリオライタに期待(不安?)されていた方もいたでしょう。
今までいろいろやらかしていた人なので、期待と不安が半々で発売日を迎えられた方が多かったと思う、この作品。僕は好きだけど。


ひとつの作品にふたつの舞台が独立し、最初の選択肢でそれぞれに向かうというのはなかなか興味深かった。しかしやはりひとつの作品にふたつの世界を入れてしまっていることが原因なのか。少しそれぞれの内容が薄かったかな?と思った。
特に主人公の最初の目的が月の学園にある以上、太陽の学園にいること自体が若干の無理を孕んでいた感が否めない。月の学園での話もそんなに深くなかったし。キャラの絡みが少ないのもちょっと気になった。
などと文句が先行しているけれど、作品を通してメッセージがあるというのはお朱門ちゃんのウリ。この点は非常に高評価。近頃は雰囲気ばっかり先行して「結局なんだったの?」という作品が多い、かもしれない。
それぞれのルートを通してひとつのメッセージがある、というよりも、オムニバスのような感じを受けた。それほどTrueルートとその他のルートの関連がない。
雰囲気はよく出ていると思う。背景は悪くない、さすがの樋口秀樹、BGMも非常にマッチしている。
一方でキャラの作画が不安定。つみれ先輩にいたっては斜視みたいになってる。ちょっとひどい。なんか目もやたらでかいような。
あえてシナリオでお朱門ちゃんの前作と比較するなら、きっ澄みではルートを一本に絞ることで強調できていた作品のテーマ性が、今回ではルートの分散に伴うかのように薄れてしまっているのが少し残念だった。
月の学園や太陽の学園でのルートがそれぞれの舞台設定の説明程度に留まっているという印象を受けた。分量もちょっと少ないし。
Trueルート単独の出来はなかなかよかったと思う。ただハーレムエンドみたいにするなら、一番最後の選択肢でお嬢様を選ぶ意味がないんじゃね?と思った。サービスってやつか?
Trueルートで新しく出てくる事柄があまりにも多すぎるので、他のルートに何の意味があったのかあんまりわからなかったかな。
空ちゃんが天使なのは認めるにやぶさかではありませんが、鷹司さんがモブ扱いなのは血の涙が出ます。悲しいです。
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