恋ではなくの感想

雰囲気A シナリオA 音楽A 原画A テーマS 総合A
幼馴染の主人公同士ルート以外は存在しないことがあらかじめ名言されていた、あかべぇ系列の冒険。
早狩+トモセという、アンチおいでませな構成なのがちょっと笑った。早狩は確かに過去の発言に問題があったかもしれないけれども、私は作品とそれを生み出す人の人格を切り離して考えられるのであまり気にせずプレイできた。トモセはなんで嫌われてんのか分からん。いい絵を描くと思うけど。
主人公が男女の二人。モデルとして活躍する女と、写真家を目指す男と、部活仲間と。彼らが撮影する映画がクランクアップするとき、それぞれが各々の関係にどのような結論を出すのか、という作品。
プレイした感想としては、想像していた以上にどろどろしたというか、重い雰囲気で進んでいくなーというところ。
「それぞれの思惑、愛憎、打算、そしてプライド」という言葉もあったのである程度予想はしていたとはいえ、ここまで人間関係に重きをおいた作品を出してくるとは思っていなかった。
そんなわけで、作品のテーマは人間関係かな。そこに夢とか恋愛とかいったものがスパイスとして付け加えられている。
ルートは3つ+グランドルート。最初の3つのルートが、グランドルートの結論に至るまでの試行錯誤のようにも思えて良い構図になっているように思える。
グランドルートで示される恋ではないなにかは、「確かにこういうのってあるかもしれないなぁ」と思えるもので、結末も満足できる。
個人的には近頃のエロゲの中で最も予約してよかったと思えた作品のひとつだといえる。