メモ

本について

 本が売れなくなっている。正確には、本の売上が毎年下がっている。このことは、「1996年以前に比べて本にお金をかける価値が(相対的に)減少している」ことを意味する。つまり、本の価値が(相対的に)下がっている。
 流通しない本は読めない。古書店のことを度外視すれば、本は読まれなくなっているはずである。読書率からこのことが読み取れない理由はなんであろうか。あるいは、流通しない本の分を古書店が埋めているのかもしれない。あるいは逆かもしれない。明確なことは、本の価値が下がっていることである。
 本の価値が下がったといったときに、なぜそうなったのかを考えると、「本の役割を何かが奪ったのだ」と思いつく。

代替可能について

 本の役割が何かに奪われたということは、逆に考えると、本には何かの役割があったということである。そして本が今もなお地球上から消滅していないということは、本には(いまのところ、その地域では)代替不可能な役割があるということを示す。本には代替可能な役割と、代替不可能な役割があるのだ、あるいはあったのだ。
 本がなぜ売れなくなったのかを考えることは、前者を探求することを意味する。(*1)そしてどうやって本が生き残ればいいのかを考えることは、後者を探求することか、あるいはまったく別のアプローチをすることを意味する。

私が知りたいこと

 私が知りたいことは、後者である。本が他のメディアに対して優位な点、他のメディアに代替されない(あるいはされづらい)点が何なのかを知りたい。だから本がなぜ売れなくなっているのかを知りたい。なぜか*1と矛盾する。なぜ?