俺は「うつ病」が理解できない。
でも、「弱いからそいつが逃げてんだろ。」と考えているわけじゃない。



病気だから仕方ない。が理解できない。



いや、全く理解できないわけじゃない。癌とか肺炎とか、そういうので仕事が出来なくなるのは分かるんだ。
でもうつ病は理解できない。この考えがつまり、「精神病を軽視している」ということなのだろうか?俺は怠けからくるうつ病まがいなものにしかなったことがないから理解できない。
いや、そうではないだろう。理解などできるはずがないのだ。癌や肺炎と違い、感情によるやる気の喪失のような(としか表現できない)モノでしか症状は現れないのだ。レントゲンに影がうつるわけじゃない。激しく咳で咽るわけでもない。そのような指標の無いものをいったいどのようにして理解しろというのだろう。言葉では表現できない。言葉は「共通の概念」を表すモノであり、ある極めて限定的な特定のものを表現するときは必ず「既存の、最も近い、それでいてそれらしい言葉」を用いるしかないのだ。これでは理解できるはずなどないではないか。現代人の多くはうつ病だと言う。だが、本当に「理解」が必要な重度な彼らを表現する方法はどこにもない。言葉は無力であり、人間は言葉によってしか理解できないと俺は考えている。理解とは状況を言葉にして表せるようになる、ということではないだろうか?



同情、が最も正しい表現であると俺は思う。理解など不可能なのだ。これは蔑みなどではない。これしか表現の方法がなく、また俺は同情は悪い感情だと思わない。必要な感情だ。なったことがないクセに理解してるなんて仰る高尚なお方が、俺には同情してる人間にしか見えない。



そしてこの言葉なら、たとえキチガイと罵られようとも俺は自信を以っていえるのだ。
俺は精神病患者に対して同情している。