自殺という名の脱落についての考察

脱落とは、努力や苦しみを乗り越えて結果を得るという過程から怠惰や能力不足により外れることであろうか。
人生に於いての努力とは、たとえば生きる価値を見出した人間ならば、その目的を達するための労力であろうか。
生きる価値を見出せない人間は、見出すことそのものが努力となる。
生きる価値、ひいては生きる目的をを見出すことのできる人間など何人いるのだろうか。
大抵の人間はかすんでいる大衆に己を投影し、偽りの飴玉を頬張るのだ。
それが分かっていても生きなければならないのは、種の存続が為であることは明白だ。


でも。
社会、世界、種というものを鑑みて。
ソレを残すことをおぞましいとすら感じる人間が自殺することによりその道から外れることは。
脱落ではなく、この上ない自己の表現といえるだろう。